外壁塗装は建物を守る大切なメンテナンスですが、工事を行う「季節」によって注意点や仕上がりに差が出ることをご存じでしょうか。塗料は気温や湿度に左右されやすいため、季節ごとの特徴を理解しておくことが失敗しない塗装につながります。
ここでは、夏・冬・梅雨における工事の特徴とリスクについて解説します。
特徴
⚪︎ 晴天が多く、乾燥も早いため作業はスムーズに進みやすい
⚪︎ 日照時間が長いため工事日数を短縮しやすい
リスク・注意点
⚪︎ 高温による塗膜不良
気温が35℃を超えるような猛暑日では、塗料が急速に乾きすぎて「塗りムラ」や「気泡」ができやすくなります。
⚪︎ 作業環境の過酷さ
職人が熱中症のリスクを抱えるため、作業効率が落ちたり、休憩を挟みながらの施工になります。
⚪︎ 外壁や屋根の熱
特に屋根の表面温度は60℃以上になることもあり、塗料の密着に影響します。
職人の工夫
⚪︎ 早朝や夕方に作業時間を調整
⚪︎ 遮熱塗料を検討することで、建物内部の温度上昇対策にもつながる
特徴
⚪︎ 空気が乾燥しており、塗料が安定して乾きやすい
⚪︎ カビやコケの発生が少なく、下地環境は良好
リスク・注意点
⚪︎ 低温による塗料硬化不良
気温が5℃以下になると塗料の乾燥が進まず、塗膜不良や剥がれの原因になります。
⚪︎ 日照時間が短い
夕方が早いため、工事できる時間が限られます。
⚪︎ 朝の霜や結露
外壁が濡れている状態で塗装を行うと、密着不良を起こすリスクがあります。
職人の工夫
⚪︎ 気温や湿度を計測し、条件が整う時間帯に施工
⚪︎ 無理に作業を進めず、天候に合わせて工程を調整する
特徴
⚪︎ 雨が多く、天候に大きく左右される
⚪︎ 湿度が高いため塗料が乾きにくい
リスク・注意点
⚪︎ 塗膜不良(膨れ・剥がれ)
湿気を含んだまま塗装すると、後から塗膜が浮いてくる原因になります。
⚪︎ 工期の遅れ
雨天で作業ができない日が増え、予定より工期が延びやすい
⚪︎ カビや藻の発生
湿度が高いため、外壁に微生物が発生しやすい
職人の工夫
⚪︎ 防カビ性の高い塗料を採用する
⚪︎ 天気予報を常に確認し、無理な施工を避ける
⚪︎ 雨の日は基本的に作業を中止し、安全性と品質を優先
一般的に「春(4〜5月)」「秋(9〜11月)」は、気温・湿度ともに安定しており、塗装工事に最も適した季節とされています。
ただし、夏・冬・梅雨であっても職人が適切な判断を行えば施工は可能です。大切なのは「季節ごとのリスクを理解し、対策をしている会社に依頼すること」です。
⚪︎ 夏:乾きは早いが、高温による塗膜不良に注意
⚪︎ 冬:空気は乾燥しているが、低温や霜の影響に注意
⚪︎ 梅雨:湿気が多く、塗膜不良や工期遅れが起こりやすい
外壁塗装は10年〜15年に一度の大切な工事です。季節ごとの特徴を理解したうえで、経験豊富な職人が気温や湿度を見極め、無理のない施工計画を立てることが、長持ちする塗装につながります。