外壁塗装の色選びは、建物の印象を大きく左右する重要なポイントです。どんなに良い塗料を使っても、色が建物の雰囲気に合わなければ「なんだかしっくりこない」と感じてしまいます。特に日本には「和風建築」と「洋風建築」が混在しており、それぞれに調和する色の傾向があります。
ここでは、和風建築と洋風建築の色選びのコツを分かりやすくご紹介します。
和風建築の特徴は、瓦屋根や木材、自然素材が多く使われていることです。そのため、周囲の自然や素材の色に調和する落ち着いた色が好まれます。
◉ おすすめの色系統
⚪︎ 茶系(こげ茶、モカブラウンなど):木部や瓦屋根と相性が良い
⚪︎ ベージュ・アイボリー系:柔らかく温かみがあり、古さを感じさせにくい
⚪︎ グレー系:瓦や石材と調和しやすく、落ち着いた印象
◉ 避けた方が良い色
⚪︎ 鮮やかな原色(赤・青・黄色など):和の落ち着きと相性が悪く浮いてしまう
⚪︎ 光沢が強すぎる塗料:自然素材の風合いを損ねる
また、和風建築は屋根が濃い色(黒・こげ茶)のことが多いため、外壁を少し明るめにすることで重厚感を保ちながら全体のバランスがとれます。
洋風建築はサイディングやレンガ調、洋瓦などが使われることが多く、デザインの自由度が高いのが特徴です。そのため、明るく華やかな色やツートーンカラーも違和感なく取り入れることができます。
◉ おすすめの色系統
⚪︎ 白・クリーム系:清潔感があり、南欧風やプロヴァンス風にマッチ
⚪︎ パステルカラー(水色、薄いピンク、淡いグリーンなど):洋風ならではの華やかさを演出
⚪︎ ネイビー・グレー:モダンでスタイリッシュな雰囲気に
◉ ツートーン配色のコツ
⚪︎ 1階と2階で色を分ける
⚪︎ 外壁とバルコニーで異なる色を使う
⚪︎ 屋根・窓枠との色を合わせて全体の調和をとる
洋風建築はデザインの幅が広い分、色の組み合わせを間違えると派手すぎたり落ち着きがなくなることもあります。シンプルなベースカラーにアクセントを加える程度が失敗しにくいポイントです。
和風・洋風どちらにも共通して言えるのは「周囲の景観」と「屋根や付帯部分との調和」を考えることです。
⚪︎ 周りの住宅街や自然環境と馴染む色を選ぶ
⚪︎ 屋根、雨樋、サッシなど付帯部とのバランスを確認する
⚪︎ 実際の塗料サンプルを外で見て、太陽光や時間帯による色の見え方を確認する
また、最近はカラーシミュレーションを使うことで完成イメージを事前に確認できるので、失敗を防ぐ大きな助けになります。
和風建築は「自然に調和する落ち着いた色合い」、洋風建築は「明るく自由度の高い色や配色」が似合います。
ただし最も大切なのは、建物そのものと周囲の環境に調和し、長く見ても飽きない色を選ぶことです。職人としても、屋根や素材とのバランスを見ながら適切な配色をご提案します。外壁の色選びは難しく感じるかもしれませんが、和風・洋風それぞれの特徴を理解し、プロと相談しながら進めることで、納得のいく仕上がりが得られます。