外壁塗装や屋根塗装は、住まいを長持ちさせるために欠かせない工事ですが、工事の性質上どうしても近隣の方へ影響が及びやすいものです。せっかく自宅がきれいになっても、ご近所トラブルになってしまっては気持ちよく工事を終えることができません。ここでは、塗装工事でよくある近隣トラブルと、その防止策をご紹介します。
1. 騒音・振動
足場の組み立てや解体、高圧洗浄機の音は意外と大きく、特に早朝や休日は迷惑に感じられることがあります。
また、金属部材を扱うときの打音や、ケレン作業による振動も気になるポイントです。
2. 塗料や水の飛散
風の強い日などは、塗料や洗浄時の水が飛んでしまい、近隣の車や洗濯物、窓ガラスに付着するケースがあります。これはクレームに直結しやすいトラブルの一つです。
3. 臭気
溶剤系塗料を使う場合は特有のにおいが発生します。体質によっては気分が悪くなったり、洗濯物に臭いがついてしまうこともあります。
4. 工期や出入りに関するストレス
職人や車両の出入りによって通行がしにくくなったり、工期が予定より延びて近隣に負担をかけるケースも見られます。
1. 事前挨拶の徹底
工事が始まる前に、近隣へ直接挨拶をすることが最も大切です。工事の内容・工期・作業時間帯を伝えておくだけで、多くのトラブルは防げます。粗品(タオルや洗剤など)を添えると印象も良くなります。
2. 養生の徹底
メッシュシートやビニール養生を正しく行い、塗料や水が飛ばないように対策します。特に車や植木など近隣の財産に被害が及ばないよう、細心の注意が必要です。
3. 作業時間の配慮
早朝や日曜・祝日の作業は避けるのがマナーです。どうしても必要な場合は、事前に一言伝えるだけでも理解を得やすくなります。
4. 臭気への配慮
臭いが気になる溶剤系塗料の使用は、できるだけ水性塗料で代替したり、においが少ない製品を選ぶのも有効です。併せて換気や風向きへの配慮も重要です。
5. 万一の対応を明確に
もし塗料が飛散した場合には、迅速に洗浄・補修することを約束しておきましょう。事前に対応姿勢を示しておけば安心感につながります。
外壁塗装は、住まいを守る大切な工事ですが、近隣への影響も大きい工事です。
「音」「飛散」「臭気」といった典型的なトラブルを理解し、事前の挨拶と養生・配慮を徹底することで、多くのトラブルは防ぐことができます。
工事は施主だけでなく、周囲の方にも支えられて成り立つもの。気持ちよく工事を終えるためにも、近隣への配慮は欠かせないポイントです。